新卒採用の歴史について調べてみた。〜明治から昭和(戦中)まで〜
最近インプットの量を意識的に増やしています。
だれよりもその市場について詳しくなろうと。そこから課題とアプローチをより深堀しようと。
まず歴史から学ぼうと思い、アポの間に調べてみました。
興味深いので共有です。
長いので2回に分けます。
帰りの電車とかお昼休みに読んでみてください。
☆明治時代☆
日本に大学という教育機関が誕生したのは1870年代。
この時期の大学というのは「旧帝大」であり、いわゆるエリート層と呼ばれる人たちでした。
卒業生のほとんどが学界や官界を目指し、就職していくのですが、
一部は中央官庁とのパイプを必要とした旧財閥系企業などに幹部候補生として迎えられた。
三菱はその代表であり、1879年より学卒新入社員の採用を定期的に行い始めました。
これが、日本企業の新卒定期採用のスタートとされています。
☆大正時代☆
第一次世界大戦をピークとする好景気の到来で、多くの企業が高等教育を受けた人材
を求めるようなります。
しかし、その当時の大学は旧帝大しかなく、人材は非常に限られていました。
そこで、企業は高等小学校を出たばかりの優秀な若者を多数採用し、社内で育成する
ようになります。
「ポテンシャルの高い新卒を採用して社内で育成する」今も引き継がれるシステムのス
タートです。大学の新卒者に対しても受け継がれ、「ポテンシャル採用」が当たり前の
こととして定着していきます。
その後、日本は第一次大戦後の終結と関東大震災の影響による不況へと突入していきます。
就職希望者が殺到するようになり、選抜試験を行うことが慣行化されます。
「新卒一括採用」の始まりです。
こうした就職難に対応するために、大学は就職部、
今で言う「大学のキャリアセンター」を設け、
就職ガイダンスや模擬面接などを行うようになっていきます。
☆昭和(戦前)
昭和初期の日中戦争がきっかけに新卒市場は「売手市場」戻っていきます。
軍需産業を中心に需要が急増しましたが、軍事体制の時代であったため、
企業・学生の選択の自由は奪われ、
国家による配給という形で新卒を割り当てるようになりました。
しかし、一部企業が法令適応外の既卒者を高給で引き抜き始めたことから、
新卒初任給は上昇。
1940年に初任給の一律化を断行します。
今も名残のある「新卒の給料は横並び」の文化はこの時期に成立しているのです。
このようにしてみると今の新卒採用の仕組みの多くが明治から昭和(戦中)に作られているのがわかります。
移動手段の発展やインターネットの普及による人と情報のグローバル化によって、
課題が出てくるのは当たり前ですよね。100年ぐらい昔の仕組みなんですから…